「原爆の体験を語りたい」。川崎市の介護福祉施設で暮らす男性(89)が、家族ら以外に明かしたことがない77年前の夏の記憶を記者に語った。ロシアがウクライナに侵攻した映像を見て、突き動かされた。
広島県出身の元大学教授、浜本昌宏(まさひろ)さんだ。広島総局員の記者は人づてに、その意向を知った。7月中旬、施設を訪ねた。
新型コロナウイルス対策で、家族以外の人とは原則面会できない。だが、浜本さんは記者を見ると、施設長に言った。
「直接話したい」
施設側の許可を得て2メート…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル